ポーランドのデジタルサイネージと街

昨年はオーストリアに行きましたが、今年は東欧のポーランドへ...とあっさり書きましたが、今年はあのトランプのイラン攻撃があり一時期中東の空港は閉鎖されました。トランプ攻撃がはじまり、このままいくと飛行機とれなくなるんでは!?高額になるんでは!?と危惧し、ひとまず飛行機をとってしまいました。ドーハ経由でとれたのですが、飛ばなかったら返金だろうし。何度か便が変更されたのですが、8月には正常化して元に戻りました。今だにトランプ攻撃は終息してませんが。
ポーランドはユーロではなく自国通貨のズウォティを使っています。1ズウォティは42円ぐらい。物価は日本よりやや高いですが、欧州で言えば安い方です。ポーランドもほぼ現金使っていません。なんでもクレジットカードでいけます!
言語はポーランド語で英語の表示がけっこうありません。英語と語感が異なり、文字もアルファベットではないのが混じっているので、読めません!会話も英語を解せない人がけっこういます。年配の人は英語を聞こうとも話そうともしない感じがします。親切なんですがね!表示に関しては今やgoogleレンズがあるのでなんでも変換すればOK!
気候は涼しいことを期待していましたが、前半は日本レベルの蒸し暑さでたまげました。後半は一気に涼しくなったのではありますが。ポーランドは今まで暑くなかったからでしょうが、博物館などクーラー設備のないところがけっこうありました。

最初はまずデジタルサイネージ視点でいきますかね。デジタルサイネージはそんなに街にあふれているわけではありませんが、繁華街にはでかいLEDパネルは世界どこでもでしょうね。駅にはモニターがずらっと並んでいて列車の運行状況が表示されています(下中)。電車はほぼぴったり運行していて、たまに遅れると、モニターで何分遅れと出ます。でもポーランド語表示。右のモニターはボタン式タッチコンテンツで、情報を検索して見たり、英語表示もできます。QRコードが掲示されていて、全く同じ時刻表がスマホで見れます。そしてスマホなら英語にできます。日本にはこういうのないよね!?しかし、地名は英語にするとかえってわからんので、英語にしてもあまり意味ないのですが!例えば 西は英語だとwest ですが ポーランド語では Zachód です。駅員にwarsawza west と言っても全く理解してくれませんでした。

けれどポーランドにはJakdojade(ポーランド語で"どうやって行けばいいですか"という意味)という出来の良い交通アプリがあります(上左)。これは地図と路線図と時刻表、遅延の情報も出てきます。バス、トラム、地下鉄、鉄道を全てカバーしていて、アプリ上でチケットの購入までできます。広告出ますが利用料はもちろん無料。現在地と行き先を地図上で選ぶと、最適ルートを提案してくれます。これは随分活用させていただきました。通常知らない土地(外国)だと路線バスに乗るのはハードル高いのですが、これ使えばほぼ乗り間違いなし。バスからトラムの乗り継ぎもスムーズにいけます!チケットも単純で、特急の指定席以外であれば同じチケットでバスでもトラムでもメトロでも乗れます。時間制で20分の3.4ズウォティ 75分の4.4ズウォティ。24時間券も15ズウォティなので安い!金曜の夕方から月曜の朝まで5人まで乗り放題40ズウォティなんてすごい券もあり、5人家族の我が家はこれ活用させていただきました!
ポーランドはメトロだけ改札がありますが、鉄道も改札ないし、トラムはそのまま乗れます。紙切符買ってるのは観光客ぐらいでみんなアプリで買っています。アプリで買ったチケットはトラムやバスの中にアクティベートのQRコード(上右)が貼ってあってこれを読めばOK。なんてシンプルで合理的なんだ!

サイネージと言いながら交通系の話に行ってしまいましたが、話戻します。博物館などはデジタルサイネージより実物重視の感じです。ホログラムサイネージは好きなようで何箇所かで見ました。ホログラムとモニターのレイヤーやってるのもありました。
斜め板式の大きいのは技術博物館(上左)。プロペラ式はクラクフの鉄道博物館です(上右)。ピラミッド式のホログラムもありました。こんなにホログラム多いのは他の国にはない特徴。
アナログですが、ベンチにボタンを埋め込んで押すとショパンの曲が流れるというショパンベンチ(上中)がワルシャワのショパンにゆかりのある場所に点在しています。これ、スタンプラリーみたいで面白かったが見つけるのがけっこう難しかった。物理ボタンで音が出るベンチは他にもありました。

ゲシュタポ拷問収容所メモリアル。ここは実際にゲシュタポの本部があったところで、政治犯を収容して拷問して処刑していた場所だそう。実際の牢屋がそのまま残っていて、牢屋の鉄格子ごしにプロジェクターで投影している映像が遠目にみると本物の人に見えて怖かった...(上左)。この建物はこの一角以外は今も政府の国民教育省が使っています。ワルシャワの街はドイツ軍によって徹底的に破壊されたそうですが、この地域はドイツ軍がいたため当時の建造物が残っている数少ない場所だそうな。
カチン博物館。こちらはロシア帝政時代にロシア軍が要塞化していた場所でした。ドイツが占領していた時代にはここがまたドイツ軍の軍事拠点に。反乱分子や政治犯を監禁・処刑する場所でもあり、その一角をカチン博物館としています。ここもドイツ軍がいたので壊されず残り、当時の姿を残している数少ない場所。
カチンの森事件について少し説明しておくと、第二次大戦中にソ連が捕虜として捕らえたポーランド軍の将校を密かにロシア領内のカチンの森などで22000人も殺害していたという事件です。第二次大戦後、冷戦に入りソ連は戦勝国であったため長く本件追求されず1990年になってロシアがようやく認めたもの。そして、カチン博物館ができたのが1993年で、父をこの事件で亡くしていたアンジェイ・ワイダが「カティンの森」という映画をつくったのは2007年のことでした。カチン博物館が軍事博物館の分館と別れ現在の場所にカチン博物館ができたのが2015年とつい最近のことです。
前置き長くなりましたが、そのカチン博物館のデジタルサイネージも印象に残るものでした。通路の壁に映る収容所に送られる人影(上右)。かまぼこ型の掩蔽壕の壁に映される映像など(上中)。これも実際の建物を使っているので重みと迫力があります。

コペルニクス科学センターがビスワ川のほとりにあります。あのコペルニクスはポーランド人なんです!ここは体験型科学博物館という感じでコペルニクスはあまり関係ないんですが、展示に工夫があっておもしろかった。
(上左)これは人間の左右の顔は違うんだよ!?というので右同士、左同士をくっつけて表示した顔です。これ、人によってあまり変わらない人と、激変する人がいてびっくりした。
(上右)こちらは映った人間を◯◯風の絵にするというロシアのヴァシリー・カンディンスキー風。映像はリアルタイム処理で、他にもゴッホとかモネとか北斎風などもありました。

歴史博物館のロビーにあった9枚モニタースタンド。このタイプの実物が使われているのはじめて見ました。メーカーはedbakというポーランドのメーカーでしたが、ヨーロッパではけっこう流通しているモニタースタンドや金具のメーカーのようです。

(左)ショッピングモールにあった半屋外サイネージ。モニターはエアコンなしの空冷タイプ。これの何が違うかと言えば写真からはわかりづらいでしょうが、右のボックスにスマホ等の充電用のUSB-A とUSB-Cのポートがくっついているのです!充電中は広告を見続けないといけないというプロダクトデザイン!これ、よく見ると効果測定用のカメラが仕込まれています。後で気がついたのですが、下の方にi see more と書いたボタンが。これを押すと周辺の街の情報やバス、トラムの運行情報などが出る画面に切り替わるのだそう。タッチパネルではなく、ボタンで画面が切り替わる仕様とのこと。ポーランドAMS社のDigital Citylightというパッケージ。また、バス、トラムの停留所などにはfree WiFiやAEDが収納されているバスシェルタータイプ(上中)もあるそうで、街のインフラとしての機能も担っている。これ成功しているデジタルサイネージで、AMS社が賃料払って設置しているが収益あがっているそうなのだ。
防滴空冷の屋外モニターが実用化され屋外の構造物に使われるようになったのは割と最近の話で、これはテクノロジーの進化によりできるようになったもの。日本にもバスシェルターは設置されはじめていますが、このタイプのサイネージは今だに紙ですね...。
あと、ここに映っているコンテンツ(上左)にも言及しておくと。これ犬の里親募集の広告です。ポーランドは犬が多くて、リードつけないで散歩するのもけっこう普通。お店や、トラムやレストランにも飼い主と一緒に入ってきます(上右)。それが日常になっていて、人間も犬も同等扱い。猫を飼っている人も多いそうで、窓辺に猫をたくさん見ました。

以下はデジタルサイネージではないのですが、気になった展示など。
クラクフには日本美術技術博物館“マンガ”館という日本をテーマにした博物館があります。常設展はなく企画展だけの博物館で、行ったときは、甲冑と日本のデザイン100という展示などをやっていました。マンガは漫画なのかと思ったら日本の美術品を収集していたポーランド人の名前がマンガで、今この原稿書いていて知りました!そのマンガの集めた収集品を日本通でもあり、クラクフ出身の先にも登場した映画監督のアンジェイ・ワイダが日本でもらった映画賞を基金にしてつくったのがこの博物館。今の建物は2004年に磯崎新デザインで建てられたものです。
甲冑はとりあえず置いといて、日本のデザイン100はなかなか興味深かった。QRコードは偉大な発明品ですね(上左)。今やなくてはならないもの。弁当も日本の発明品か!?カップヌードルとポッキーもありました。そしてゲームボーイにウォークマン、写ルンです(上右)。

(左)技術博物館にあったCompaq Contura AERO 4/25 と 東芝 T1000。上段は私が持っていたPCで超なつかしい。これは白黒液晶でカラーのノートPCを後で買ったのであまり使わなかったのであるが。下段は世界初のラップトップPCで東芝の発明品だったんですね。T-1000は日本語の表示ができないため欧米でしか売っておらず、日本ではその後あの鈴木亜久里dynabookとして発売されたのが世界初のノートPCでしたね。dynabookも私は使っていました。当時は大学生でしたが学生はまだPC使っていなかった。ノートPCはワープロと思われる時代。
(右)PC話のついでで書きますが、コペルニクス科学センターのPCで駆動させているデジタルサイネージの1つはガラスケースに入っていて、最近のキラキラマザーにグラボのイルミをわざわざ見せるレイアウトにしていた。ただのPCでしかないが、なんかハイテクっぽく見えて、こういうやり方もあるなと思った。このサイネージ自体はただの動画のループではあったが、元々はリアルタイム処理でなんかするサイネージだったのかも。グラボはZOTACのRTX4070であった。

ウィーンでも見たペットボトルやアルミ缶の回収機がワルシャワにもありました。同じ機械に見えたので調べたところ、スウェーデンのTOMRA社のものでこれがほぼ世界で独占企業になっていました。EU圏ではPETボトルの回収率の達成義務が課せられていてそれに沿ったものと言えます。ポーランドでこの回収制度がはじまったのは2025年10月とつい最近の話でした。ポーランドではペットもアルミ缶も一律デポジット1本0.5ズウォティ(約20円)です(右上がペットボトル等回収すると出てくるその店で使えるクーポン)。
というわけでワルシャワにもゴミ捨ておじさんが降臨しておりました(上右)。
ポーランドではそもそもペットボトルを買わないでいいように、水だけ売ってる自販機もありました(上左)。
ちなみに中野でやってるリサイクルステーションも確認したところTOMRA社でした。しかし!ペットボトル1本2ポイントで500ポイントためないと500円券にならないという、あまりにもコスパの悪すぎる仕様でゴミステおじさんは日本では出現しないのでした。

最後はネオンサイン!ネオンサインもサイネージ(看板)の一種であります。ポーランドでは冷戦期にネオン化政策という、社会主義圏も資本主義圏に負けてないアピールでネオンサインが積極的使われたんだそうです。現在もその名残でネオンサインぽい看板も見かけるのですが、中身はLEDチューブになっているとのこと。低消費電力、耐久性、軽量でLEDには敵わず、ネオンはオワコンになっちゃいました。この歴史を保存しているネオン博物館(上左)というのがありました。LEDにはない暖かい感じがネオンではやっぱり出ますね。ポーランドのネオンのデザイン性が高いのはネオン化政策の後押しがあったからです。
(上右)火力発電所をリノベーションしてつくられたポヴィシレ発電所フードホールと呼ばれるレストラン集合施設です。建屋はそのまま利用し、制御盤等をそのまま装飾にしています。奥のタピオカ屋!?のネオン風のサインはLEDなんでしょうね。ちなみにこの寿司とピザを食べている家族はAIでポーランド人に差し替えています!
さて、1年後の世界はどうなっていますかね。海外旅行にまた行けるかな!?まだトランプいるからどうなるかわからんね...。
